車高とロールセンター
先日のユーロ最終戦で今シーズンのレース活動は終了した。
チャオイタで優勝して、最終戦は3位だったが自己ベストは更新したので満足の行く結果だった。
いろいろあった年だったけど、終わってみれば苦労した甲斐があってか、まずまずのシーズンだった。
今年初めに乗り換えたマシンで、正直ここまで行けるとは思わなかった。
その理由の一つに、今まで考えてなかった部分に手を入れたことがある。
最初、今のレーシングチームに入ってから、そのレベルの高さには驚かされた。
トップクラスのマシンを見て、盗めるところは盗んだ。 この環境がなければ当然チャオイタの優勝なんかは無かったと思う。
足周りのセッティングに力を入れたのもこのチームに入ってから。
それまでのシャコタン仕様から脱したのだ。
車高を下げる=重心が下がる=ロールが減る=曲がる
と、思っていたのだが、これが大きな間違いで・・・・
確かにある程度下げて重心を下げるのはサーキットマシンにとっては必要なことだけど、下げ過ぎはかえってロール量を増やすことになるのだ。
車高を下げ過ぎるとロールが増える!?
意味不明だよねえ・・・
でもそうなんです。
ロールセンターってのがあって、それが下がるとロール量が増える方向になるんだそうな。
ロールセンターについては興味ある人はググって見て下さい。 いっぱい出て来ます。
そこで『ロールセンターアダプター』なるものの登場です。
デルタ用として何種類か市販されているものもあるのですが、それらの多くは車高のみにしか対応しておらず、取り付けに際してタイロットエンドの加工等が必要など、一筋縄では行かない感じでした。
そこで、その問題を打開すべく開発したのがこのアダプターである。
左が市販のアダプターで、右が今回の新開発のアダプターだ。
見て分かる通り、トレッドが広がる方向で作られてある。
これにより、キャンバーが最大で4度近く付くようになった。
残念ながら商品化は未定のようだが、試験的にワンオフで作成したものをモニターとして使わせてもらった。 コレがチャオイタの秘密兵器だった訳で、素晴らしいコーナリングを実現した。
強度面などに不安がある為にアルミでは無くスチールを使用している。
このような感じで装着する。
見て分かる通りトレッドが広がり、ロールセンターも修正されている。
これである程度車高を落としても極端にロール量が増えたりはしない。
今回、これの導入と同時にキャンバーを思い切って付けてみた。
結果、とても走り易く、タイヤも綺麗に使えていた。
後は今抱えているリアのトラクション抜けを打開すべく微妙なセッティング調整で、まだまだタイムを詰めれそうな感じがする。
今後はもう一度バネレートから車高までを見直して行きたいと思います。
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